一休さんといえばテレビアニメや本で安国寺を舞台に無理難題に「とんち」をきかせて見事にやりかえす話で有名ですよね。
「あわてない。あわてない。ひとやすみ。ひとやすみ。」はよくご存じの言葉だと思います。
私もテレビアニメに夢中でした。
そんな一休さんですが実はまったく「とんち」小僧ではなかったんです。
「一休さん」こと一休宗純(いっきゅうそうじゅん)は1394年(明徳5年)に後小松天皇の子として生まれました。
「一休さん」は室町時代に実在した臨済宗の禅僧です。
幼少期はとても真面目な子供でしたが、大人になると数々の奇行で有名になりました。
禅僧でありながら
酒は飲み、肉を食う。
女性が大好きで、女性と交わってしまう。
さらに女性のみならず男性も大好きで男性とも交わってしまう。
といった戒律を守らない破戒僧として知られていました。
小汚い恰好で木刀を朱色のさやに入れたり、正月には骸骨をかかえて挨拶にまわったという話もあります。
なぜこんなことをしていたかといいますと一休は奇行としてではなく風教としてこのような行動をとっていたようなのです。
「風教」というのは ”徳によって人々を教化すること” という意味で
一休は禅僧として人々に教え導くために「奇行」にしかみえないような行動をとっていたのです。
「とんち」の一休さんの逸話はこの奇行からきているのです。
実際の一休さんはテレビアニメのような「とんち」をはたらかせていたわけではなかったんですね。