アルギニンとはアミノ酸の一種で体内でも作れる栄養素です。身長を伸ばす成分として子供の身長を伸ばすと謳っているサプリメントもありますが、アルギニンが直接身長を伸ばすわけではありません。
この栄養素は成長ホルモンの分泌を促す働きがあるのです。
そのため、アルギニンを摂る、成長ホルモンが分泌される、イコール身長が伸びると解釈されがちなのです。
ですが、残念ながら、そこに科学的な根拠はありません。
確かに組織の生成を促すため、骨を伸ばしたり筋肉を良く作ったりする働きがありますし、代謝を促す働きがあるので、疲労を回復させ、脂肪を燃焼し、肌や筋肉の修復や再生を手伝う働きもあります。
そのため、エナジードリンクなどにも配合されています。
普段の食事で摂取するたんぱく質は腸で分解される時アンモニアを発生します。これは疲労の原因となる有害物質のため、尿素回路へ流れ、尿として排出されます。
これを無害化する働きのサポートもしますので、勉強にスポーツに遊びにと忙しい子供の疲労回復には一役買うかもしれません。
また、血管を拡張する働きがあるので、低体温や冷え性を患う子供には良いでしょう。低体温や冷え性はむくみだけでなく、免疫力を下げますので、総合的にみて、健康に成長するのに害をなすものの排除と言った意味では有効なのかもしれません。
では、成長ホルモンの分泌に必要なアルギニンの量はどのくらいかというと、体重1キログラムに対して0.5グラムです。市販のサプリメントには0.2グラムから0.5グラム含まれているので、体重20キロの子供だと1日に20粒から50粒摂取しなければならない計算になります。とても現実的ではありません。
医療用のアルギニン製剤を使えば成長ホルモンは確かに分泌しますが、血管から注入するという方法ですし、先に述べたように市販のサプリメントのような微量ではとてもではないですが、効果はのぞめません。
しかも、医療用も治療薬ではないので、低身長の方の治療に使用されることはないのです。やはり、普段の食事や生活習慣が大切なのです。
成長ホルモンは1日中分泌されています。
ただし、波があり時間帯や活動内容によって違ってきます。
ピークは夜10時から午前2時までです。この時間にしっかりと睡眠をとっているかどうかはとても大切な事です。
寝る子は育つのです。普段の食事も偏りなく、鶏、マグロ、エビなどに多く含まれますの積極的に取り入れ、その上でサプリメントを補助として子供に与えるのが良い方法です。
【関連記事】子供の身長を伸ばすことは簡単!?